面白い体験談|おでんに罪は無いのに・・・
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いい芝居してますね!サイト管理人の甲塚誓ノ介でございます。
この記事では、甲塚誓ノ介体験談シリーズの中から今回は笑える面白い話として【夏のおでん流し~おでんに罪は無し~そして伝説へ・・・】についてを
- 面白い体験談|お、俺の『おでん』が…
- 面白い体験談|その夜…
- 面白い体験談|そして伝説へ…
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
面白い体験談|お、俺の『おでん』が…
笑える話爆笑体験談|甲塚誓ノ介体験談シリーズ|夏のおでん流し~おでんに罪は無し~そして伝説へ・・・
唐突ですが、キャンプって楽しいですよね?
みんなでテントを張ったり、BBQをしたり、大自然のなかでそうやってワイワイやるの、私、結構好きなんです。
蚊に刺されたりしますけど、それもまた醍醐味の一つだと私は思いますねぇ。
で、今回はそんなキャンプにまつわる私の体験談を紹介させて頂きます。
男の人三匹、キャンプへ…
これはねぇ、私が22歳か23歳くらいの夏の話…
私の仲間達はね、みんなでBBQやったり鍋やったりとか、そんなワイワイするの好きな人間が多いんです。
でもね、みんなでキャンプに行った事は無かった。
で、キャンプに行こうという話になってね、みんなでお金を出し合って、テントとか道具を揃えたんです。
でも、いざ行くとなると、みんななかなか都合がつかない。
何とか都合がつくのが、私、N、Tの三人だった。
数的にはちょっと寂しいんですが、『試しに』という事で三人でも行く事にしました。
場所は岐阜県の某キャンプ場。
我々の地元からは4時間ほどかかる予定で出発しました。
車はね、四駆のカッコいいのを買って間もないNが出してくれましたよ。
運転もほとんどNがやってくれて、時々Tと交代してました。
私はね、
- 『鈍臭い』
- 『命を預ける気がしない』
なんて理由でずっと後部座席に封印されていましたね(笑)
朝6時くらいに出発したんですが、道中、何度か渋滞に巻き込まれまして、キャンプ場に着いた時には正午を過ぎていました。
その日は35度くらいの猛暑でね、車から降りた瞬間、汗が吹き出てきたのを覚えています。
地獄のテント張り
我々、キャンプに来たのはいいんですが、自分達だけでテントを張るのが初めてで、マニュアルを読みながら建てていくんですけど、なかなか上手くいかない(笑)
ぐんぐん上昇していく気温も相まって、体力をどんどん消耗していく。
若いっていっても、猛暑の中のテント張りは堪えます。
汗をダラダラ流しながら、何とかかんとか形にはなってきたんですが、途中、暑さに耐えかねて近くの川に行って冷たい水を被ったりして休憩してたので、テントを張り終わったのは3時近かったです。
最早、その時点で体力を使い果たし、三人とも食欲なんて失せていました。
Tの夏おでん
それでも食事の用意をしないとキャンプに来た意味がありません。
私とNはBBQの準備を始めました。
Tは、我々とは別行動で『おでん』の準備を始めました。
Tはね、元々料理上手で、たまに我々に手料理を食べさせてくれていました。
その中でも『おでん』は絶品で、Nのたっての願いで今回のキャンプで『おでん』を作ってもらう事になっていました。
他のお客さんもキャンプで『おでん』とは面白い事をしてるなあという風に、結構注目を浴びていました。
しかし、三人とも体力が限界に近づきつつあるんで、ほぼ無言で、ただ目の前にある作業に没頭するしか無かったですね。
途中、真夏にキャンプ場で『おでん』をグツグツと煮ながらTが一言…
『これ…食えるか?』
私も同じ事を考えていましたが、それに答える余裕もありませんでした(笑)
全ての準備が終わったのは5時過ぎ…
みんなもうクタクタで、喋る元気もありません。
お、俺の『おでん』が…
冷たいモノを飲みつつ、我々は何とかBBQを始めました。
肉とか魚は量より質を選び食材を厳選してきてたんで、食べ始めたら何とか喉を通り始めました。
しかし…
Tが精魂込めて作ってくれた『おでん』に箸をつける者がいません。
皆、
『食べなければ…!』
と思いはするんですけど、どうしても手が伸びないんです。
T自身も『おでん』が目に入る度に『ひゅぅっ』とT独特の溜息が出るような感じでした。
しかし、少しでも箸をつけようという事になり、皆で少し食べてみました。
美味しいんです。
美味しいんですが、やはり喉を通らないんです…
仕方なく、我々は他のお客さんに『おでん』をお裾分けする事にしました。
他のお客さんは少しずつ取ってくれました。
お返しにと、よく冷えた『スイカ』を頂いたんですが、皮肉にもこれが一番の御馳走と思えましたね。
他のお客さんにお裾分けして、それでも半分以上残っています…
明日、帰りの車の中で食べるかという意見も出ましたが、この暑さでもたねぇだろうという事になりました。
持って帰れないのなら、この『おでん』を何とかしなければなりません。
我々は誠に不本意ですが、(特にダシにもこだわり作ってくれたTには我が子を手放すような気持でしたでしょうが)苦渋の決断をしました。
『川に流す…』
川に流せば、川に住む生き物達が我々の代わりに食べてくれる。
それなら食べ物を粗末にした事にはならないだろうと…
私が鍋を持ち、川へ向かいました。
さすがにTに持たせるのは酷過ぎますからね…
で、川に到着したんですが、私、中身を捨てられないんですよね…
大汗かいて作ってくれたTの姿が目に焼き付いて、捨てられないんです。
見かねたNが私から鍋を受け取り、漢らしく『おら~!』っと中身を川に流してくれました。
それを見ていた、Tは
『もげぇぇぇぇ~!』
と何を言っているかわからない言葉にもならない言葉の悲鳴をあげていました・・・。
(もともとTは興奮すると活舌が悪くなり何を言っているかわからない奴なのですが、この時も感極まりその最上級にあったのでしょう)
日が暮れ始めたキャンプ場の川を流れていく『おでん』を見つめながら私は
『精霊流しって、こんな気分なんだろうな…』
と思ったものでした。
そして何を言っているかわからない叫び声をあげたTを見ると、何とも言えない切ない表情で我が子とも言える『おでん』達を見送っていました。
そして一言、
『お、俺のおでん…』
私と、Nの耳にも確実にその言霊は届きました。
しかし、聞こえないフリでその場を後にしました…
さよなら、『おでん』達よ…
面白い体験談|その夜…
その夜…
テントの準備により肉体的疲労と、まさかのおでんの川流しという行事を敢行することになったメンタル的な疲れから、疲れきった我々はテントの外で蚊取り線香の煙を見ながら言葉少なにまったりしていました。
すると最愛の我がことも言える【おでん】を見送り物思いにふけりながら哀愁の漂わせていたTが、
『甲塚、恐い話してくれよ』
と言い出しました。
『おでん』の事で傷心中のTの願いです、そんな事はお安い御用ですが、問題はNです。
Nは大の怪談嫌いで、話始めると機嫌が悪くなります。
しかし、さすがにNも今のTの願いには反論の術が無かったようで、
『オレ、寝るわ』
といってテントに潜り込んでしまいました。
それから2時間程、私はTの為だけに怪談を披露し続けました。
しかし、
『何時やと思ってるんや!いい加減にせんかい!』
という怒鳴り声が聞こえました。
その声で我に戻ると、周りは完全に寝静まっています。
我々は丁重に謝ってから寝る事にしました。
しかし、テントの中に潜り込む前にTが一言…
『なあ甲塚…オレ等、何しにここに来たんやろうな?』
その問いに対する答えは『キャンプ』しかないのですが、その時の私も、それが正解だとは言い切れない気分だったので、また聞こえないフリをするしかできませんでしたこのキャンプでの出来事は、のちに『おでん事件』として我々に語り継がれる伝説の一つとなり、今でも夏になると思い出話として話に出たりします。
面白い体験談|そして伝説へ…
そして伝説へ・・・
何だかんだと色々ありましたが、今思えば、あのキャンプは非常に楽しかったように思えます。
ただ一つ、教訓として私の胸に刻まれた事があります。
真夏のキャンプに『おでん』は必要ない。
その後、キャンプから無事に生還した我々3人は、後日我々3人に、このキャンプに仕事の都合上来れなかったK林にK野を加え5人で、キャンプ後の初の飲み会の時には、【おでん流し】の話が話題にあがった事は言うまでもありません。
そして、元来、プライドは高いのですが特徴的な話方という事もあり面白キャラとして地元でも弄られキャラの地位を確立しだしていたこのころのTは、その飲み会でも、おでん流し伝説を流暢に既に笑い話にしながら語るNに怒っていましたが、私同様、大のゲラ(笑い上戸)であるK林は、その時のTの様子を鮮明に想像できたのか、命にかかわるくらいの大笑いをしていました。
そして、その日、NとK林の手により、Tが作った伝説のおでんには、Tの叫び声にちなんで
【もげん】
という戒名がつけられたのでした。
この記事をお読みの皆さんも心に刻んで下さいませ・・・。
大切な事なので、もう一度書きます。
真夏のキャンプに『おでん』は必要ない(笑)
この記事でのご紹介は以上になります。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!
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