月と地球の距離の変化|少しづつ変わりゆく両星の関係
月と地球の距離の変化についてこの記事をご覧いただきありがとうございます。
いい芝居してますね!サイト管理人の甲塚誓ノ介でございます。
この記事では、私たちが住む地球と、その地球の1番身近な星、月との関係性について、両星の距離が少しづつ遠ざかっていっているという変化についてを
- 月と地球の距離の変化|日食について
- 月と地球の距離の変化|楕円軌道が生む日食の見え方の違い
- 月と地球の距離の変化|2009年7月22日の皆既日食では
- 月と地球の距離の変化|皆既日食が見られなくなる?
- 月と地球の距離の変化|月は徐々に縮んでいる?
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
月と地球の距離の変化|日食について
太陽と地球と月が見せてくれる天文ショー
ある日突然、太陽が黒い影に覆われてしまう、日食。
昔は、不吉なことが起こる前兆などと言われ、忌み嫌われていたものですが、現在では、数多くある天文イベントの中でも、最も注目されている天文イベントの1つではないでしょうか?
日食は、太陽と地球の間に月が入ったとき、しかも地球から見て太陽と月が一直線上に並んだ時に起こります。
月が太陽を覆い隠すわけですね。
月は太陽に比べれば天体としての大きさでいえば、圧倒的に小さい天体です。
その月が太陽を隠すことが出来るのは、月と地球が近い位置にあるからなのですね。
言い方を変えれば、太陽と地球、そして月のそれぞれの距離によって、壮大なレベルの遠近法から太陽と月の見かけ上の大きさが同じくらいになっているからなのです。
月と地球の距離の変化|楕円軌道が生む日食の見え方の違い
楕円軌道が生む日食の見え方の違い
日食の中でも、月が太陽全体を隠してしまう日食を【皆既日食】と呼びます。
皆既日食が見えるのは、月の本影(光が完全に当たらずに暗くなった内側の部分)が到達する部分だけで、半影(光が部分的に到達して薄暗く見える部分)では月が太陽の一部を隠す【部分日食】となるのです。
月の本影の長さは平均で37万4500㎞ですが、月と地球の平均距離は、38万4400㎞あり、月の本影よりも距離が長いのです。
このことから、本来なら届かないはずの月の本影が地球に届くのは、月の公転軌道が楕円軌道だからなのですね。
この軌道は、月が1番遠い時には、約40万5000㎞、1番近い時には、約36万2000㎞となります。
つまりは楕円軌道上、地球に近い場所に月があるときに、皆既日食が起こるのですね。
月と地球の距離の変化|2009年7月22日の皆既日食では
2009年7月22日に起こった皆既日食は、日本国内では46年ぶりに見られる現象として話題になり夕方のニュースとかでも取り上げられていたのを甲塚は覚えています。
自転や公転の関係では、日本が皆既日食を観測できる範囲に入る事は少ないため、それだけで希少な観測チャンスだったと言えます。
次に日本で皆既日食が見られるのは、2035年9月に北陸から北関東にかけての一帯になります。
ちなみに、本影よりも地球と月の距離が遠い場合には、月が金の輪に縁どられたように見える【金環日食】となります。
一方、太陽と月の間に地球が入ったときは、地球の影によって月が欠ける、【月食】が起こります。
日食と同様に、地球の本影に月がすっぽりと入った場合は【皆既月食】となり、一部分が入った場合には【部分月食】となります。
月と地球の距離の変化|皆既日食が見られなくなる?
皆既日食が見られなくなる?
ところで、地球の自転は月の潮汐力の影響で少しずつ遅くなっています。
そして、地球の自転が遅くなると、月は地球から離れていくことになるのです。
例えば、フィギアスケートの選手がスピンをするときに、選手が手を広げている時のスピンの速度は比較的ゆっくりな事に対して、手を閉じている時のスピン速度は速いですよね。
これは、腕を伸ばしたり縮めたりして、物体の半径が変化することにより、半径の長さに反比例して回転も変化することにより速度の変化が起きているからです。
これを【角運動量保存の法則】といいます。
つまりは、地球の自転が遅くなると、運動量を一定に保とうとするために、地球と月の間の距離が長くなっていくという事なのです。
月は地球から約毎年3.8㎝ずつ遠ざかっていて、10億年後には、地球と月の平均距離は41万㎞程度になると推測されています。
その頃には、月と地球の距離の変化によって、皆既日食は起こらなくなっているでしょう。
そして、その後も月は地球から離れ続けていくと、月が地球から55万㎞まで離れたころには、月から地球への潮汐力の影響が少なくなり、地球の自転にブレーキがかからなくなり、月もそれ以上離れることはなくなるのです。
月と地球の距離の変化|月は徐々に縮んでいる?
月は徐々に縮んでいる?
月は離れていくだけではなく、月の直径もどんどん小さくなっているという驚きの報告を、2010年にNASAが発表しています。
この報告によれば、月の冷却と収縮を示す特徴的な地形が、月の表面で多数見つかったとの事。
この
【耳たぶ状の崖】
と呼ばれる傾斜は、水星など他の太陽系の惑星にも見られる地形で、地殻が収縮することで、天体の表面に断層が発生し、一方の地面を押し上げられたときに作られます。
これらの地形は、過去10億年の間に形成されたと考えられていて、月の誕生が約46億年前とすれば比較的新しいものと言えます。
こうした地形の観測結果から、研究チームは
『月は誕生以来、約182mも小さくなっていた』
と推測しています。
そして収縮については、現在進行形で続いている可能性もあると考えられています。
月と地球の距離の変化については以上となります。
最後まで記事をご覧いただきましてありがとうございした。
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