東京喰種re第16巻エピローグから月山習について|愛情爆発
月山の愛情爆発
彼はreでの再登場の際には食を拒否し、カネキを求めていました。
月山家の喰種達は習にカネキを食べさせようと行動していましたが、月山は彼を食料として欲していたのではなく、最早、カネキが習という存在の一部と化し、その喪失感から食欲をなくしていただけではないかと、甲塚は思っています。
月山習という人間は、非常に愛情豊かな喰種です。
月山家の喰種達との関係からそれが見て取れますし、習は、一度精神的な絆を結んだ存在を、己の一部として捉える習性にあるように見えます。
故に、友人と認めたものが窮地に陥った際には、己の持つ全てをもちいて救おうとします。
月山家崩壊後、月山は完全にカネキの為、ただそれだけの為に動いていたように見えました。
しかし、後に相棒とまで言える存在となったナキ、それに万丈という仲間達との絆を持つに至り、彼はカネキの側に属する喰種達の為に動くようになりました。
月山習は、美しい物事を好みます。
ナキや万丈の自己犠牲精神が、習の目には非常に美しいものと映ったのだと思います。
カネキが喰種側に返ってきた後、カネキは完全に習を信頼していたわけではなかったようですが、習の行動は以前の利己主義が影を潜め、利他主義に変わっている事は認めていたようです。
カネキが習を信頼するようになるのに、それほど時間はかからなかったようですね。
月山の怒り、涙
月山習という喰種を語るのに欠かせないシーン。
それは、カネキがナァガラジに変貌し、暴れまわる光景を見たカネキの信奉者達が、イトリの扇動により、カネキが
『人間に復讐してくれている』
という誤解をした際に、その誤解に習が激昂したシーンでしょう。
人間であり喰種であり、その両者を愛し、両者を守ろうとして苦しみ抜いてきたカネキが復讐など考えるはずもない。
また、みんなカネキがそんな事をしないとわかっているからついて来ているはずだ!
それなのに、戯言に乗せられ、何を騒いでいるんだ!それに、これだけの喰種がいて、彼に幸せになって欲しいと思っているのは、僕だけなのか?
という内容の台詞を吐きますが、これが月山習です。
月山習の根底には、父親月山観母の精神性が理想的に受け継がれています。
観母は、喰種でありながら、人間と喰種は身体的相違だけで、その精神性に差異はないという考えを持っているように見え、また、元々愛情豊かな人間であったようです。
習は、根底にそれを受けついでおり、カネキやその周囲の存在との関わりを通して、今まで身につけた余分なものが削げおちて、その精神性がむき出しになったのではないでしょうか?