木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?|謎多き巨大ガス惑星に迫る
木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?についてこの記事をご覧いただきありがとうございます。
いい芝居してますね!サイト管理人の甲塚誓ノ介でございます。
宇宙の事が大好きで大好きで仕方のない甲塚、これまで太陽、月、地球、水星、金星、火星と順に語ってきましたが、この記事では太陽になり損ねた巨大ガス惑星の木星についてを
- 木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?|質量不足が招いた現在の姿
- 木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?|謎に満ちた赤い目玉
- 木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?|ガニメデには海がある!?
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?|質量不足が招いた現在の姿
木星は太陽になり損ねた星だった?
太陽と同じ成分でできている木星
木星は太陽系内で最も大きな惑星です。
地球と比べると、赤道半径は11.2倍、体積は約1321倍、質量は約317.83倍、そして重量は約2.4倍と、すさまじいスケールの大きさである事がわかります。
木星の大気を構成する主な成分は、水素とヘリウムで、太陽と似通った大気成分を持っています。
そのため、古くから木星は、太陽になれなかった星、あるいは、太陽になり損ねた星とも呼ばれています。では、実際にあとどれくらい大きかったら、木星は太陽のような恒星になれたのでしょう?
原子惑星の内部で軽水素による核融合が起こるには、中心核の温度が300万~400万℃を超えなければなりません。
そのためには、少なくとも太陽の8パーセントの質量が必要であるとされております。ところが、木星の質量は太陽の0.001倍程度しかなく、単純に考えても、今の80倍は質量がなければ、木星が太陽のように光を放つ星になることはないのです。
一方、軽水素ではなく重水素ならば、もっと低い温度で核融合が起こります。もしも木星が現在よりも13倍程度重ければ、重水素による核融合反応が起こったでしょう。
ただし、重水素の核融合は持続しないため、木星は熱を放射する褐色矮星となったでしょう。
太陽がふたつある太陽系の姿とは?
では、仮に木星の質量が今の80倍以上あって核融合反応が起こったのならば、太陽系はどうなっていたのでしょうか?
まず恒星化した木星はその引力により、現在よりも太陽に近い軌道を描くようになります。そしてお互いの周りをグルグルと回る【二連星】となった可能性が高いです。そうなると、水星や金星は今の軌道からはじき飛ばされ、地球や火星とともに複雑な螺旋軌道を描くようになったと思われます。
もし、木星が今の軌道のままで【第二の太陽】となった場合はどうだったでしょう?
木星と太陽の距離は、地球と太陽の距離の5.2倍。
太陽ー地球ー木星と並んでいる場合、地球から見れば、木星は太陽よりも約4倍遠いことになります。だから、たとえ木星が恒星化したとしても、地球に与える影響はそれほど大きくはなかったでしょう。
木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?|謎に満ちた赤い目玉
木星の大赤斑が縮んできている?
謎に満ちた木星の赤い目玉
主に水素とヘリウムから構成される木星は、太陽系の中でも最も巨大なガス惑星です。その木星の表面には、特徴的な縞模様とまるで目玉のように見える、大赤斑が浮かんでいます。
この大赤斑は、地球が2~3個すっぽりと入ってしまうくらい巨大な大気の渦で、その色は赤というよりもオレンジに近いのです。
1665年に大赤斑が発見されて以来、大赤斑はどのようにして生まれたのか?という問題に対して、さまざまな仮説が立てられてきました。
大気に渦が生まれ、実に350年以上もそのまま消えずにいるのには、何らしかの原因があるはずなのです。しかし、大赤斑のメカニズムは、今も解明されていません。
大赤斑に何が起こったのか?
ところで、この赤大斑が徐々に小さくなってきているのです。天文学者たちは、1930年代から大赤斑の収縮に気が付いていました。
1979年にNASAの探査機、ボイジャー1号とボイジャー2号が木星に接近した際に、観測された大赤斑の直径は2万3000㎞あったのですが、1995年に、ハッブル宇宙望遠鏡が行った観測では、2万1000㎞弱になっていて、2009年には1万8000㎞弱になっていたのです。
さらに、2012年初頭からは、年間で約930㎞と収縮のペースが速まり、2014年には16500㎞まで縮小しております。そして形も楕円形から真円に近く変化していっているのです。
収縮のペースが速くなった原因としては、大赤斑の周囲にあった小さな斑点が2008年に消失したことが関係していると思われています。小さい渦が大赤斑に巻き込まれたことで、大赤斑の内部構造が変化した可能性が、研究者によって指摘されているのです。
ただ、2015年の観測では、収縮のペースが年間240㎞になり少し落ち着いたようではあります。
2016年7月には、NASAの木星探査機ジュノーが木星の極軌道に到達しました。
NASAのジュノーミッションより
(この天然色の画像は、大赤斑と周囲の領域がジュノーの位置から人間の目で見たのと同じように画像処理しています。大赤斑の内部とその周辺の激動する大気の様子がはっきりと識別できます。
この画像はジュノー探査機が7回目となる木星最接近の際、2017年7月10日午後7時10分:PDT(午後10時10分:EDT)に撮影されました。 画像が撮影されたのは探査機が木星の緯度-32.6度の大気上空約8,648マイル(13,917キロメートル)離れた地点でした。)
大赤斑の謎が解き明かされる日が来ることを願います。
木星の衛星の数に探査機が捉えた赤い目玉は?|ガニメデには海がある!?
木星の衛星ガニメデには海がある!?
太陽系内で最大の氷の衛星
木星は太陽系で最も多くの衛星を持っています。2017年7月の段階で確認されている衛星の数は69個。
そのうちのイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つは、発見者ガリレオ・ガリレイにちなんで【ガリレオ衛星】と呼ばれています。
その中でも、ガニメデは太陽系内にある衛星としてはもっとも大きく、直径がおよそ5260㎞もあるのです。地球の衛星である月や惑星である水星よりも大きいのです。
ガニメデの内部構造は、地球のように複数の層で構成されていると考えられています。ただし、地球とは少し構造が違っていて、中心には金属の核(コア)があり、その周りに岩石のマントル層、その上に柔らかい氷の層、そして、表層が硬い氷で覆われていると推測されております。
また、以前から内部の層と表層との間に、液体の状態での水が存在する可能性が高いとされ、2015年3月にはその新たな証拠が見つかったとされる研究成果が発表されています。
オーロラの揺れが水の存在を示す
ガニメデは衛星で唯一磁場を持つ天体で、ガニメデの磁場と木星の磁場とがぶつかることで、ガニメデの表面近くにオーロラが発生します。このオーロラは、木星の磁場が変動するたびに連動して揺れ動くのですが、ハッブル宇宙望遠鏡の紫外線観測によって、ガニメデがすべて固体で構成されているとの想定で推測した結果よりもオーロラの揺れが小さいことがわかっております。
天体の内部にある導電注の液体(おそらくは塩水)が動くことで二次的な磁場が発生し、オーロラの揺れを軽減していると考えられるのです。研究によれば、厚さ150㎞のガニメデの氷の下に、深さ100㎞の海があるといいます。
その水量は地球の表面に存在する水の総量よりも多いと見られています。
ESAが2022年に打ち上げる予定の探査機ジュースは、2030年に木星圏へ到着し、木星とガニメデ、カリストの調査を行う予定です。
また、ロシアもガニメデに探査機を送りこむ計画があり、ESAとの協力を模索しています。これらの探査によって、もしかしたら生命の存在する痕跡が見つけられるかもしれないという大きな期待が高まりますね。
この記事でのご紹介は以上になります。
最後まで記事をご覧いただきましてありがとうございました。
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