キシリアザビが最後を迎えた理由考察|ドズルとの確執
ドズルとの確執
キシリアとは全く違う武人タイプの弟ドズル。
二人共に兄ギレンとは違い、人間味あるタイプである。
しかし、家族に対しての思い、部下に対する思いがストレートなドズルと、家族に対する愛情、部下に対する恩情を持ちながらも、己の野心がそれを上回るキシリアとは持っている哲学が違った。
端的に言えば、目的を達成する為に手段を選ぶ人間と、選ばない人間の違いである。
ギレンは色んな意味で人間を超越した人間なので度外視するが、結局は姉と弟の兄弟喧嘩であるのかも知れない。
また、弟ガルマに対する接し方も確執に関係したのかも知れない。
ガルマはキシリアに対し、承認欲求が強かったようで、それをシャアにもネタにされたりもしていて、ガルマはキシリアに認められたいと色んな思いが強かった。
キシリアはそんなガルマを可愛く思いながらも、政治的に利用していた節がある。
ドズルは、そんな計算などなく、ただ優しく純粋な性格の人間らしい弟を愛していた。
その純粋なガルマを政治的に利用している事を、ドズルが快く思っていなかった事は想像に難くない。
結局、キシリアはソロモン戦において、弟ドズルの生死より己の野心を優先した。
確執は最期までなくなる事はなかった。
キシリアの野望
キシリアは何を夢見ていたのか?
それは、ザビ家の権力を独占する事であり、ザビ家による独裁体制を築く事であったかと思われる。
しかし、その根底にあったのは父や兄に対するコンプレックス、ひいては女性としてのコンプレックスであろう。
ザビ家の家風はどう見ても男尊女卑であり、ザビ家内で兄達と対等であろうとするなら、己の能力を認めさせるしかなかった。
オリジン版での若かりしキシリアは完全に父や兄達に抑圧されていたようであった。
それを受け入れる性格であればよかったが、キシリアは男勝りな性格であった為、ストレスを溜め続ける日々であったと思う。
キシリアがどんな世界を作り得たかも見たかった思いもあるが、承認欲求だけで広大な世界を己の思い描くように作り変える事は甚だ難しい事である。
結局は、麾下にあったシャアによって討たれてしまった事により、キシリアはザビ家の業を一身に背負う形になった。
まとめ
小説版においてのキシリアは、ニュータイプとしての素養があったようだ。
シャアのように、ニュータイプが世に出る世界をつくる事も夢見ていたかも知れないが、結局は同志ではなく、手駒としか考えられなかったのかも知れない。
部下を手駒としてしか扱えないタイプの人間は、最期にはその手駒によって夢が潰えるというのは歴史の定石である。
ギレンしかり、天才タイプの人間は歴史を重要視しない。
いつの世でも、人間の根本は変わらないものである。
歴史からそれを学び得なかったのがキシリアの敗因であったかも知れない。
この記事でのご紹介は以上になります。
最期までお読み頂き、誠にありがとうございました!
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