ベルセルクのガッツと蝕についての考察|プライドの塊、走る
プライドの塊、走る
皆のやり取りを察したグリフィスは子供時代の自分自身の幻影に導かれるように、馬車で走り出します。
プライドの塊とまで言われたグリフィスらしい行動でしたが、彼が走り出した先には何もありはしません。
もう、夢は潰えたのです。
彼が走り出したのは、現実逃避だったように思います。
彼が乗った馬車は地面でつまづき、転倒し、グリフィスは宙に舞い上がります。
地面に叩きつけられたグリフィスは意識を保っていましたが、激痛を覚え腕を見ると、腕は完全に折れていました。
棒切れのような折れた腕を見て、グリフィスは大笑いしますが、その後、馬車の破片で首を刺して自殺を図ります。
しかし、死に切れない…
グリフィスは涙を流します
このくだりはあまりに切なく、胸を締め付けられますね。
三浦先生の人間観が、このくだりに集約されているように思います。
私は、自分が歩んできた人生の結果が『現在』であると思っています。
今そこで、そういう状態にある『自分』。
どうしようもない大きな運命の濁流に流される事もあるでしょうが、『現在』は、善くも悪くも、それに至るまでに自分が行った選択や言動の『結果』なのです。