怪談話キャンプファイヤーでの体験談|ある先輩の話
怪談話キャンプファイヤーでの体験談についてこの記事をご覧いただきありがとうございます。
いい芝居してますね!サイト管理人の甲塚誓ノ介でございます。
この記事では怪談話として甲塚のとある先輩がキャンプファイヤーにて実際に体験した話から
- キャンプファイヤーの体験談|ある年の秋のこと・・・。
- キャンプファイヤーの体験談|Fさんの話
- キャンプファイヤーの体験談|甲塚の見解
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
キャンプファイヤーの体験談|ある年の秋のこと・・・。
甲塚誓ノ介体験談シリーズ『ここはどこ?』
これはねぇ、私の体験談じゃないんですけど、興味深い話なんで、紹介させて頂きます。
私が20代前半の時に勤めていた会社の先輩、仮にFさんとしておきましょう。
Fさんは私より10歳程歳上の先輩で、優しくて、非常に面白い人でした。
私達後輩から慕われ、憧れの先輩でしたねぇ。
キャンプファイヤーにて
あれは秋だったかなあ…
会社の労働組合の青年部のキャンプの時の事です。
昼からみんなでカレーとか作ったりして、夜はBBQ。
食後はキャンプファイヤーという黄金コースでした。
Fさんは弾き語りができたので、楽器が弾けるメンバーとのセッションでミニライブみたいになってねぇ。
シーズン過ぎた頃だったから他にお客もいないので、男ばかりでしたけど、非常に盛り上がりましたねぇ。
ミニライブを終えた後に、そろそろ寝ようかと言う雰囲気になったんですが、先輩の一人が
『怪談大会やろうぜ!』
と言い出しました。
結構多かったんですよ、その手の話が好きな人。
でもね、苦手な人は苦手でしょ?
そんな人達はバンガローに帰っちゃって、残ったのは怪談好きばかり。
好きな人達なんで、みなネタは持ってるんですよね。
順番に1話1話語る百物語形式で進められたんですが、Fさんの番がやってきました。
Fさんは少し考え込んでから、
『この話は幽霊とかは出てこんけど、オレが実際に体験した話でな…』
と語り始めました。
キャンプファイヤーの体験談|Fさんの話
Fさんの話
Fさんは車が好きで、週末は彼女とドライブに行く事が多いと聞いていました。
しかし、その日は何となく一人でドライブしたかったので、大阪から和歌山、白浜あたりまで走ってやろうと言う計画だったそうです。
しかし、大阪から和歌山に抜ける山道に入った時、妙な違和感を感じた。
『あれ?こんな所に脇道なんかあったかな?』
いつもは気に止める事すらない一本道だと思っていた場所で、全く見覚えのない脇道を見つけた。
道は細そうなんですが、車がすれ違うくらいは大丈夫そうです。
Fさん、何となく気がむいて、その道に入っていったそうなんです。
道の両側は背の高い木に囲まれ、薄暗い…
心なしか、景色がセピア色に見えるような気がする…
なんかね、お腹がゾクゾクっとしたそうです。
恐怖というよりは、スリル、そんな感じがあったそうです。
そんな薄暗い森のような道を少し走ると、一気に視界が広くなりました。
そこにはね、農村があったらしいんですよ。
田んぼや畑が広がる中に、ポツンポツンと数件、木造の古い作りの家屋が建っている。
しかし、何だか違和感を感じるんです。
『何か、ここヤバイ…』
のどかな農村の風景の中で、何だかそんな感じがするらしいんですよ。
道もね、砂利道で舗装されていないんですよ。
コンクリートやアスファルトの匂いすらしないみたいな感じ。
『時間が止まってるみたいやな…』
Fさんは思ったそうです。
また、生活の匂いはあるのに、何故か人の姿が見えない。
晴天の真昼間だったらしいんですが、人っ子一人見当たらないのは不自然ですよね?
で、Fさん、車を止めて外に出てみた。
空気が澄んでいて、非常に清々しいんですが、やはり違和感はぬぐえない。
Fさんはタバコに火をつけると、車のボンネットに座って、ボーッと紫煙を燻らせていました。
するとね…何だか視線を感じる。
それもね、複数の人間の嫌なモノを見るような視線。
その複数の視線がね、Fさんを見てるわけだ。
この視線はポツンポツン建ってる古い家の中から感じる…
いや、見てるんですよ、家の中から、複数の人間が、Fさんの事を!
Fさん、スニーカーの裏でタバコをもみ消すと、刺激しないようにゆっくりと車に乗り込んだそうです。
するとその瞬間、家の戸が一斉に開いて、昔の農民が着ていたような粗末な着物姿の男が数人姿を現しました。
みんな、手に鍬や鎌みたいなモノを持ってるんです。
それを見た瞬間、Fさんは狭い道ながら何とか方向転換をして、急いで車を発進させました。
その際に田んぼや畑を荒らしてしまったように思いますが、そんな事を気にしている余裕はありません。
Fさんはルームミラーで後ろを見たそうですが、ルームミラーから見えなくなるまで、皆、Fさんの車が走り去るのをジッと見つめていたように見えたそうです。
恐怖のせいか、何のせいかは
わかりませんが、気がつくとFさんは見知った道を走っていたそうです。
Fさんは、
『オレ、タイプスリップでもしたんかなあ…?』
と言っていました。
それからも同じルートを何度も走っていますが、あの横道はあの時以来見つからないそうです…
キャンプファイヤーの体験談|甲塚の見解
甲塚の見解
Fさんはタイプスリップと言っていましたが、甲塚は異界トリップだったのではないかと思っています。
我々が住むこの世界には、無数の世界が重なって存在するしているのだと、甲塚は考えています。
Fさんが足を踏み入れた世界がどんな世界だったのかまではわかりかねますが、人は様々な『縁』に触れる事で、この世ならざる別の世界を垣間見る事があるそうです。
それは非常に稀で、貴重な経験ですが、無事に自分が在るべき世界に帰還できた事は得難い幸運でしょう。
稀に、そのまま帰還できない人もいるそうですから…
そういう現象を我々は『神隠し』と呼ぶのかも知れませんね…
この記事でのご紹介は以上になります。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!
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