怪談話【渦の中から】|ある人のあるハワイ旅行での話
ハワイ旅行での怪談話、【渦の中から】についてこの記事をご覧いただきありがとうございます。
いい芝居してますね!サイト管理人の甲塚誓ノ介でございます。
この記事では、
甲塚的実話or創作怪談シリーズ第2話として
- 怪談話【渦の中から】|今回の体験者Tさんの勤務するお店の店長さん
- 怪談話【渦の中から】|霊感鋭い店長さん
- 怪談話【渦の中から】|お経のように聞こえる英語
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
怪談話【渦の中から】|今回の体験者Tさんの勤務するお店の店長さん
甲塚的実話or創作怪談シリーズ 第2話 『渦の中から』
Tさんは若い頃、あるお店で働いていました。
今からお伝えする話は、その時に霊感が鋭く、何度か心霊体験をした事がある、その店の店長さんから聞いた話だと言います。
店長さんがまだ大学生の頃の事。
店長さんは気を遣わない仲間数人とハワイ旅行に行く事になりました。
店長さんは優しい性格なんですが、長身で体格にも恵まれ、腕っ節も強く、豪胆な人だそうです。
そんな店長さん、ハワイに着くや否や、とにかく時間の許す限り遊びまくったそうです。
ジェットスキーにパラグライダー、海底散歩ま楽しんだと言います。
ハワイでしか食べられない珍しい料理に舌鼓を打ち、本当に心から満足できたそうです。
しかし、ハワイ旅行最後の日、お土産を買おうと町を歩いている時に、全身に悪寒が走り、
ズシリ…
と重い何かを感じました。
怪談話【渦の中から】|霊感鋭い店長さん
あ、これはヤバイやつだ…
霊感が鋭い店長さんはそう思いましたが、すぐにその違和感が抜けたので、
あ、通り過ぎただけかな?
と忘れる事にしたそうです。
そのあと、仲間達とワイワイお土産を選びながら町を歩き、日が沈む前から飲み始めて、早い時間にホテルに戻りました。
シャワーを浴びてベッドにねころがって同室の仲間と寝酒を飲みながら話をしていると、知らぬ間に寝てしまったそうです。
怪談話【渦の中から】|お経のように聞こえる英語
しかし、深夜に突然、バッと目が覚めました。
店長は金縛りにかかっていました。
しかし、首から上はかろうじて動くようで、頭をあげて周りに視線を巡らせると、同室の仲間は完全に寝入っています。
仲間の姿を確認して少しホッとした店長さんでしたが、どうやら首から上は動くものの、声が出せない…
しかも、電気を消し忘れている明るい部屋の中がやけに暗く…いや、空気が黒っぽく見えます…
嫌だなあ…なんだよ、コレ?
店長さんは何度か心霊体験をしていますが、今までの体験とは一線を隔した異様なプレッシャーに久しぶりに恐怖を感じたそうです。
そのプレッシャーの原因は、昼間に感じた違和感と同質のものであるという事に、店長さんは気づいていました。
しかも、何やら低いくぐもった声が聞こえてきます…
明らかに、英語を喋っている男性の声です。
英語だとわかっていながらも、店長さんにはそれがお経のように聞こえたそうです。
その声は次第に大きくなり、それに呼応するかのように、店長さんの足元に、渦のようなものが見え始めました。
空気が黒く、その空気が渦をまいているように店長の目にはうつりました。
店長さんは異様としか言いようのないその様を、ただ見ている事しかできません。
ずっとその渦を見ていると、その渦の中心から何かがこちらにやってこようとしているように見えます。
店長さんは恐怖のあまり目をそらせず、じっと成り行きに身を任すしかありません。
渦の中心から来るものが何か、ハッキリと分かりました。
黒人男性です。
全裸の黒人男性が渦の中心からこちらに向かってくるのです。
うわ~!!
と叫びたいのに声が出ない。
仲間はグッスリと眠っていて全く起きてくれる気配がない…
ついに、渦の中から黒人男性の上半身が完全に姿を現しました。
下半身はまるで闇に溶けているようにハッキリと見えなかったそうです。
その黒人男性は何かを早口でまくしたてているように聞こえますが、店長さんは英語を話せないので、何を言っているかわかりません。
それ以前に英語かどうかもわからないくらい異常な早口だったそうです。
まるで音声を早送りしているかのように聞こえた。
その黒人男性はゆっくりと店長さんの首筋にその手を伸ばしてきました。
オレは、今ここで死ぬのか?
店長さんは死を覚悟したそうです。
そして、店長さんの首に黒人男性の手がまとわりついたかと思った時に、
ドンドン!!
何か音かはわかりませんが、店長さんにはベッドが下から叩かれたような衝撃が伝わったそうです。
その瞬間、全てがリセットされたように、スッキリとしました。
渦と黒人男性は影も形もありません。
店長さんは恐る恐る身体を起こすと、仲間を叩き起こしました。
店長さんは寝ぼけている仲間に今起きたことを伝えました。
店長さんの霊感の鋭さを知っているその人は、ハワイまで来てそんな体験するなら本物だ、お前霊能者になれよ!と笑ったそうです。
結局、あの渦から出てきた黒人男性と、ドンドンという音の正体は全く不明でしたが、店長さんは、あの音に関して、何かが自分を守ってくれた、という事だけは確信しているそうです。
ちなみに、店長さんはそれ以来変なモノを見たり聞いたりする事がめっきり少なくなったそうです。
結果発表
今回の『渦の中から』、
『実話』か『創作』か…?
正解は、『実話』です!
海外旅行先での怪談は甲塚の怪談コレクションの中ではかなり珍しくて、お気に入りの一遍です。
日本人は海外に行くと開放的になるそうですが、いくら開放的と言っても、今回のような得体の知れない存在は受け入れ難いですな(笑)
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!
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