世にも奇妙な物語2018秋の脱出不可の内容に感想|考察
考察
これはSNSの暗黒面を描いたと同時に、人間の暗黒面をも描いた秀作であると思う。
シンジは眼前に広がる他人の不幸を、気軽に撮影して、それをSNSに投稿した。
シンジとしては、全く悪気のない行動である。
それを見た、自分がそれを見たから、それを誰かに知ってほしいという単純な動機だ。
しかし、シンジには先に為すべきことがあったはずなのに…
これは、現実を現実として受け取れなかったからではないかと思う。
あのユーチューバーも、火事で生死の境を彷徨う父親か母親の姿を生配信していたが、それはもう正常な精神で行える行為ではない。
全ては、他人の痛みより自己顕示や利己主義による現実逃避ゆえの行動である。
それを悪いとは言わない。
しかし、現実には責任がついてくるものである。
非現実には責任は発生しないかも知れないが、現実には必ず責任がつきまとうものである。
甲塚は、発信者の一人として、己の言動には責任がつきまとうものであるということを再認識し、社会人として冷静に、節度ある活動をしていきたいと思いました。
人間は生きている以上、何かの発信者となりうる。
このエピソードを見て、全ての発信者は、人間の心の痛みを理解し、痛みのない発信を行うべきだと甲塚は思いました。
シンジは犯人なのか?
このエピソード、シンジは本当に犯人ではなかったのか?
今回のテーマは『思い込み』がテーマとされていました。
それから察するに、シンジが火をつけたが、それを思い込みで他の誰かの犯行であり、自分はただの傍観者だったという思い込みがあったようにも取れました。
それならば、シンジは精神を病んでいた可能性も出てきますが…
そう言えば、シンジは監禁されている状態であるにもかかわらず、やたらと仕事を気にしていました。
仕事で追い込まれ、そのストレスからの犯行であり、それを思い込みにより記憶を改竄していた可能性もあります。
今のストレス社会、そんな事も起こりうるのではないかという、嫌なラストでしたね…