終末のワルキューレ59話ネタバレ!始皇帝の壮絶過去!|特異体質と幸福な日々
特異体質と幸福な日々
嬴政は春燕と市場に出かけます…
嬴政は屋台で売っている美味しそうな饅頭を見て涎を垂らしますが、それを見た春燕は食べたいな食べたいと言えと言いながら、二人分の饅頭と炙り肉を買おうとしますが、屋台のオヤジは春燕の隣にいる子供が嬴政だとわかった途端、態度を一変して『ほらよ』と言って故意に饅頭を地面に落とします。
それがお前の分だという事なんでしょうが、春燕はそれに対して怒りを露わし、オヤジをブン殴ろうとしますが、嬴政は『ありがとうございます』と言いながら、地面に落ちた饅頭を美味しいと言って頬張ります。
春燕はそれで怒りよりも、嬴政のリアクションに呆気にとられて唖然としてしまいますが…
オヤジの嫌がらせ行動がキッカケになり、嬴政は周りにいる大人達から長平の戦いの恨みを一身に受ける事になります。
その怒りと恨みに満ちた視線に囲まれる嬴政は痛みにたえながらも笑顔を絶やさないですが、春燕は嬴政の様子にただならぬ何かを感じます。
やはり7歳の子供にはあまりにも辛すぎる生活ですよね…
胸が苦しくなってきます…
その夜、春燕は嬴政の様子を不審に思い、注意深く観察していると、嬴政の胸元に傷を見つけて服を脱がせます!
すると、嬴政の身体には酷い傷やアザが無数に刻まれていた!
春燕は、これは何だ?町の人間に何かされたのかと嬴政を問い詰めますが、嬴政は違うんだと答えます。
嬴政はいつからか怪我をしている人を見たり、他人から憎しみを向けられると、身体中に傷が浮かび上がるようになってしまったのだと答える…
ミラータッチ共感覚…
これは誰もが一度は経験した事があるような事ですよね…
誰か怪我をしている人がいて、それを見た他者が痛そうと感じて身震いしたり、血の気がひいたり、気分が悪くなるというというのもミラータッチ共感覚の症状だと思います。
これは肉体的な事でも精神的な事でも同じように起こる事で、人間特有の感覚だろうと思いますが…
嬴政は生まれた環境、育った環境…
普通の子供なら絶対に耐えられないような厳しすぎる環境に置かれたため、その感覚が人の領域を超えて、向けられた憎悪までが、実際に傷として浮かび上がるほどに自分の痛みとして知覚するようになってしまっていた…
嬴政は痛みだけであり、少し時間が経てば治るからと言いますが、その痛みは気絶しそうになるくらいの激痛みたいで、春燕からは痩せ我慢するなと叱られますが、嬴政はそれでも、自分が趙人から憎まれるのは当然だと返す…
嬴政は、この痛みは罰なんだと全て受け止めている…!
わずか7歳の子供が、自分には全く関係がない、生まれる前に起きた出来事の責任を感じて、それに向き合い、それでもいつかは許される日がくると耐えている…
嬴政の笑顔、それは…
身体を焼く憎悪を少しでも和らげる為に本能で身につけた、哀しき鎧…
哀しき鎧という表現と嬴政の笑顔がグッと心を抉ってきますね…
春燕は何故ヘラヘラできるんだ、長平の大虐殺の事には嬴政に責任なんかない、お前はただ本当に傷つけられているだけなんだ、だから、無理しなくていいんだ!
泣きたかったら泣け!
腹が立ったら怒れ!
自分で自分を殺して誤魔化すな!
と叫びますが、嬴政は自分は人殺しの国の子供で、自分の感情を素直に表す事を悪い事だと感じていて、おそらく、それをすればもっと大変な状況になるという恐怖もあるのかも知れませんが、できないと言おうとしますが、それを遮るように、例え親がどんな悪魔だろうと、その子供に罪はないと嬴政を抱きしめる春燕!
春燕は嬴政は人の痛みがわかる優しい人間であり、その傷は発なんじゃなけ、優しさの証拠だと言って涙を流す。
嬴政は自分のために泣いてくれる春燕の胸に抱かれ、ついに笑顔が崩れはじめます…
そして、春燕から、お前は生きたいように生きていいんだと言われ、ついに嬴政は感情を爆発させて号泣します!
嬴政にとって、初めての号泣だったかも知れませんが、それを引き出したのは春燕の無償の愛情ですね!
春燕は精神的なミラータッチ共感覚が鋭い人かも知れないですね…
甲塚、こういうシーンには滅法弱く、め、目頭が…!
翌日、生まれて初めて感情を爆発させた嬴政はぐっすりと安眠したようですが、起きると春燕が笑顔で迎えてくれます。
そして、嬴政に手作りの目隠しをプレゼントしてくれます。
それで目を隠していれば、少しはあの傷の痛みも和らぐのではないかという気遣い…
しかし、嬴政は春燕に裁縫ができた事が意外だったようで春燕にそういいますが、春燕は昔はよくやったもんだと意味深な事を言います…
嬴政は喜んで目隠しをつ『好』と一声出して喜びを表し、春燕もその言葉が大好きだと優しい笑顔を見せる…
それ以来、二人は本当の母子のように仲良くなっていきます。
屋敷に書かれた酷い落書きを二人で消して回り、あの屋台のオヤジに悪戯で復讐したりと、嬴政は作り笑顔ではなく、本当に子供らしい笑顔で笑うようになり、また、春燕も同じように息子と笑い合うように溌溂とした笑顔を見せています。
嬴政にとって、生まれて初めて人生とは楽しいものだと感じた幸福な日々だったようですが、それも長くは続かなかった…