ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察|特に印象深かった2話を紐解いてみました
ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察についてこの記事をご覧いただきありがとうございます。
いい芝居してますね!サイト管理人の甲塚誓ノ介でございます。
この記事では8月19日に放送された、ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017の中から、甲塚が特に印象深く心に残った、箱、お墓はどこでしょうについてを
- ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察|土着信仰
- ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察|『箱』は民俗学的にもありうる話
- ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察|『お墓はどこでしょうか?』について
以上の項目に沿ってご紹介させて頂きます。
ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察|土着信仰
『ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017考察』
8月19日に放送された『ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017』内のニ篇、野村周平さん主演の『箱』と、遠藤憲一さん主演の『お墓はどこでしょうか?』は非常に心に残る名作でした。
今回はこの二篇についての甲塚の考察を書かせて頂きたいと思います。
土着信仰
この二篇は、所謂『土着信仰系』に分類されるお話でした。
『土着信仰』とは、ある限定された一部地域にのみ認識されている神か、それに相当する存在、または迷信に対する信仰を指します。
『夜に笛を吹くと蛇がくる』なんて迷信があります。
これはかなり広い地域で通用する迷信ですが、甲塚はこれなんかは『土着信仰』が発祥のように思います。
ある地域で蛇が信仰対象になっていて、夜に笛を吹くとその蛇が来て子供をさらうとか、そんな迷信があったとします。
昔は住む所さえ自由ではなかったので、通常、そんな迷信は外に出る事はありませんでしたが、明治以降、色々自由が増えていく中で、その地域でそういう迷信を信仰していた人達が夜に騒ぐ子供達を静かにさせる為にそんな事を言ったりして広まった、そんなところではないでしょうか?
しかし、『箱』と『お墓はどこでしょうか?』の二篇は、その家系だけが対象になっているようでしたね。
ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察|『箱』は民俗学的にもありうる話
『箱』は民俗学的にもありうる話
横溝正史の『犬神家の一族』を見てもらうとよくわかると思いますが、本来は繁栄する可能性が低い立場にあった一族が突然財を成して繁栄するという話は日本全国にあります。
昔話でもよくある系統のお話です。
貧しかった人が、異形の存在と関わったり、狐狸の類と関わったり、形は様々ですが、それによって豊かになると言った話ですね。
もし、急にお金持ちになった人がいて、その原因を言わなかった、もしくは言えなかったとします。
しかし、周囲の人はその原因が気になりますよね。
それを知れば、あわよくば自分も豊かになれるかも知れない。
しかし、それを知り得ないとなると、人は好奇心や嫉妬心から、
『ああではないか?』
『こうではないか?』
と詮索します。
大昔なら、それは迷信と直結します。
それで昔話や小説のような話がうまれたというのが真相というのが大半だと思います。
しかし、『箱』の話は現に『祭具』として現代まで伝わってきていたようです。
この『箱』は、一族の中でも立場の弱い者が選ばれ、その手を祭具として用いる、その手の念が強ければ強いほど一族を繁栄させる力になるという呪術的要素が強い迷信です。
手は、色々な物を運び込み事が出来るし、運び出す事も出来ます。
なら、福を運び込み、厄災を運び出す事も出来るはず。
そういう迷信的な考え方がベースになった土着信仰がその地域にはあったのではないかと思うのです。
節分に似た考え方ですね。
民俗学的に考えるとあり得ない話ではありません。
しかし、その迷信が本当に力を持ったものだったとしたら、人間の『信じる』という力が凄まじい呪力を生むという証明になるのかも知れません…
ほんとにあった怖い話夏の特別篇2017感想と考察|『お墓はどこでしょうか?』について
『お墓はどこでしょうか?』について
一族にだけ伝わる迷信はかなりあるかと思います。
わかりやすいところでいえば、漫才コンビ『銀シャリ』の鰻さんは非常に珍しい姓で、
『鰻家の男子は鰻を食べてはいけない』
みたいな迷信があるなんて話をされていたかと思います。
これなどは非常に典型的な例かと思います。
『お墓はどこでしょうか?』は、遠藤憲一さん演じる一家には白い服の女性の霊が関係しており、一族の家長がそれを見て、人にそれを話してしまったら確実に命を落とすという内容でした。
非常に恐ろしい内容ですが、これはかなり大昔から一族に伝わってきた迷信であると思われます。
その原因となった云われが現代まで伝わっていない点から、伝承としてかなり古いものである事が伺えますし、
『確実に命を落とす』
という『確実』というフレーズが付いていて近年犠牲になった人がいるなら、詳細がもっと鮮明であるはずだからです。
その云われは、他人に広まるべきものではなかった、という点も明らかですね。
色々想像が膨らみますが、もしかしたら個人や集団の名誉に関わる問題かも知れないのでここでは割愛しますが…
何にせよ、この女性の霊の存在が現代まで続いていると言う事は、かなり強力な念を持った霊であり、除霊浄霊の類が通用しなかったのだと思います。
しかし、
『見たことを言わない』
という対処法が伝わっている事は救いであると言えますね。
見てしまうだけなら怖いだけで害はない…
これが気になります…
もしかすると…
命を奪うのは女性の霊ではなく、それを見たことを話す事を禁じる別の存在がそうするのかも知れない…
いや、詮索はやめておきましょう…
まとめ
この手の話は単純に怖いし、後味も悪いですね。
それは、おそらく、そこに死んだ人間の念とともに、生きた人間の念も感じるからでしょう。
現代では通用せず、法に触れる行為も、大昔には半ば公然と行われていたのかも知れない…
いつの世も、本当に恐ろしいのは生きた人間の欲望から発する念なのかも知れません…
この記事でのご紹介は以上になります。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。
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